コラム 事故物件などの心理的瑕疵のある物件が注目されている!?
以前コラムにて不動産売買における『事故物件』『瑕疵物件』についてご紹介させていただきましたが、いわゆる『心理的瑕疵』が含まれる事故物件が今注目を集めているようです。
何故今この心理的瑕疵のある物件が注目されているのでしょうか?
その理由を今回はご説明いただきます。
心理的瑕疵とは
心理的瑕疵とは言葉通り「人の心理に与える欠陥や欠点」が生じるという意味です。
例えば自殺であったり他殺のような事件性があるものに対してや自然死を含め、「告知義務」が発生するものを指します。
つまりそういう心理的瑕疵(しんりてきかし)が生じる物件こそが「事故物件」に相当します。
まず前提として、高齢化社会を背景に『孤独死』の増加が増えている事が起因している。
先日ネット番組『Abemaプライム』にてご紹介されていましたが、高齢化社会が理由で『孤独死』などのいわゆる自然死も増加傾向にあるとの事です。
それによって売り手からの要望あり買取相談が増えているという現実があるようです。
例えば殺人事件や他殺などにより事件性があるような物件などはやはり人気はないとの事ですが、例えば病死や自然死などは気にしない人々も増えてきている傾向にあるようです。
当然告知義務などの期間もありますが、そういうイメージを抜きにしても中古物件を出来るかぎり安く手に入れてリフォーム、またはリノベーションをして暮らすほうがよいと考える人が増えているとの事です。
多様な考え方や新しい認識が生まれつつある。
例えば同番組では『2ちゃんねる』創設者でYoutuberとして活躍されているひろゆき氏の意見によると例えばパリなどでは死んでいない家はほとんどいないとの事で寧ろ築何百年の物件において過去死んでいないマンションの方がおかしいとの認識を示していました。
確かに国によってはそういう価値観の違いはあるように思います。
その価値観にも変化が生まれ、高齢化社会を起点に日本におけるイメージの転換機が訪れているように感じます。
日本はグローバリズム推進を理由に様々な多様性を持った方々が日本に暮らすようになり、こういう理由から今まであった慣習的なイメージとはまた違う価値観からニーズが高まっているのではないかと思います。
重要視すべきはお亡くなりになった要因。
私は重要視すべきポイントはその方がお亡くなりになった要因だと思います。
自然死、自殺などの場合は理由が明確でないため、地域は割れますが、例えば他殺であった場合は治安など地域性も少なからず影響されます。
また隣人であったり近隣トラブルがどうかなども重要視すべきポイントであると思います。
告知義務とその先にある物件価値へのイメージ。
物件の価値は現状ではやはり『心理的瑕疵』を理由に市場価値がつかない為、売り手がなかなかつかない現状があります。
ですので、そういうリスクを背負えるか背負えないかは避けられない問題となるでしょう。
ただ上記でもご説明させていただいてるように、価値観も少しずつ変わればこのようなイメージも10年、20年と立てば大きく変わり市場価値も大きく変わる可能性はあるのではないかと推測できます。
また現状、自分たちが住む家に対して何を優先すべきか、によっては瑕疵物件の用途の考え方も変わってくるでしょう。
いかがだったでしょうか。
やはり瑕疵物件、事故物件というのは、テレビメディアの過剰な演出であったり、想像の域をでない心霊体験などのゴシップ記事の影響によりイメージが著しく悪いという現状があります。
しかしこういうネットメディアやSNSの普及によって少しずつ多様な考え方を考察できる土壌が生まれつつあるのではないかと思います。
まずは自分たちの生活を考えた時に何を最優先すべき問題なのかをリアルに考え『その人たち』が豊かになれる方法を取るのがベストかと考えます。
我々もリノベーションを通じてそんな社会が実現できるよう最善を尽くしていきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!
[記事]田中 義人
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